拍手限定SS016 あきら様×白石 行方知れずの雲

今日で3日。
一昨日も昨日も、快晴で、
もちろん今日も、快晴だ。
気持ち良い風が、僕の鼻をくすぐる。


収録から、3日経った。
あの時間はあっと言う間で、
終わった後の疲労感はすごいが、
なにか自分の中の物が、
少しずつ変わる気がする。


なんだろう。
なにが、変わるのだろう。


なんとなく、その気持ちは知ってる。
でも認めてしまいたくない。
認めたら負けな気がする。


もし僕が、その気持ちをしっかり認めたとする。
もしそうしても、それが〇か×かと聞かれたら、
答えはきっと×だろう。


この答えは僕が出すのではなくて、
あの人が、あの人の周りが、出すだろう。
僕の想いなんて、簡単に打ち砕いてくれる。


僕みたいな人間に、
あんなスーパーアイドルは釣り合わないのだから。
負けることは、こんなにも明確に分かっているのに。


どうしてこの想いを拭い去ることが出来ないのだろう?


……なぁ、行方知れずの雲さんよ、
たまには、僕の代わりに、
泣いてくれやしないか?