あきら様誕生日記念SS「午前0時を過ぎたら」(008)


あたしの携帯が着信を知らせた。
よく知ってる名前が書いてある。
けど、あたしは今、最高潮に眠い。
ってか、寝てたのに、起こされた。
「ふぁい…」
「あきら様っ♪お誕生日おめでとうございます!」
「………んぇ?」
「えっ?あきら様、今日誕生日ですよね?」
携帯を耳から離して画面を凝視する。
ほんとだ、2月14日、0:00と書いてある。
「……うん。」
「あきら様…もしかして、寝てましたか…?」
「うん、今日忙しかったから…」
「そうですか…すみません、起こしてしまって…」
白石の声が、申し訳なさそうに小さくなる。
「でも、ありがとう。」
「えっ」
驚いたような声がする。
「あたしの誕生日、覚えてたのね。」
「あ、当たり前じゃないですかっ!」
去年は忘れてたくせに。
「…あきら様?」
「…ん?」
ふぅ、と一息いれる音。
「あの、あきら様、」
「なぁに?」
「…プレゼントは…僕じゃダメですか…?」
「却下」
「やっぱり!」