あき白短文「3月9日」


風が過ぎる。
ゆっくり、生暖かいそれが、
春の始まりを予感させる。
僕らはまた、ここにいて、
相変わらず彼女は彼女のままで。
いつも、僕の隣で笑っていてくれる。



たまに、喧嘩もする。
些細なことで、本当に些細なことで。
でも今思えば、あれもそれも、
僕らには大事なイベントの1つだった。



今は、隣に居てくれるだけで、
心が温かくなる。
いつも、いつまでも隣に居てほしい。
そんなのは、我儘かな。



いつも貴女が、僕の心に居てくれる。



それだけで、僕は幸せなんだ。