拍手SS あきら様×白石「それも、運命。」


らっきー☆ちゃんねるが、終わった。
あっという間に駆け抜けていった1年半だったと思う。
いつもなんでかよくわかんないけど、
いつもあいつと一緒で、あいつはあたしのそばにいて。
アシスタントの役目をしっかりと果たしたかなんてとても微妙だけど、
けれど一番一緒にいた、あたしの大切な、仲間。

仲間?

うん、白石は仲間だ。

仲間だった、途中までは。


あたしが、白石を好きになるまでは、仲間だった。


まさか、好きになるなんて思わなかったし、
好きになりたくないと思っていた。


でも好きになってしまった。


いつでもあたしをフォローしてくれるところ、
あたしの話を最後まで聞こうと努力してくれるところ。
あきらめて途中で放り投げられることだってたくさんあったけど

でもあたしのことを支えてくれた。

無茶振りをたくさんしても、それに応えてくれた。

そんなところが、大好きだった。


好きになるまいと、思っていたのに。


だって、
分かれるときが辛いのを、分かっていたから。






「ねぇ白石?」
「…なんでしょう?」
「今日で、終わりなんだね…」
「寂しく、なりますね…」

誰もいなくなってしまって、
スタジオから出るために廊下を歩いていた。
あたしは何でかわからないけど、
白い壁の前で立ち止まる。

そして白石に問いかける。

「寂しくなる?」
「えぇ、そりゃ、もちろん。」

本当にあいつがそう思っているのかは分からない。
でもあたしはそう思ってる、
けど、いわないんだ。
言わないって、決めたから。

「ね、白石…」

顔を見られたくなくて、
あたしは下を向く。
自然に、涙がこみ上げてくる。

白石が、あたしの前に来る。

「あきら様…?」

白石のシャツを掴む。
ベルトの上くらい。
あたしの手のちょうど届くところ。

「あたし…楽しかった、よ…」
「僕もですよ、あきら様…」

そっと、頭を撫でられる。
その顔を見ることなんて、出来ない。
そうしたら、別れてしまえなくなるから。

「寂しくなんて、ない、ん、だからっ…」
「…あきら様…まったく…」

ぎゅっと、抱きしめられる。
もう駄目だ。


あたしはぼろぼろと泣いてしまう。
別れたくなくて、
離れたくなくて。


ねぇ、どうして離れなきゃならないの?

もっと、一緒に、居たいのに…


ねぇ、どうして?