大穴同士

昨日、学校で履修を考えながら、自分が彼と出会ったきっかけになった合コンを企画した友達と話していたところ、
「まさかねー、もじゃ(自分)とミキくん(彼)がくっつくとはね〜…」
としみじみいわれた。
最初、私には合コンなどに行く気がなかった。しかも開催地が横浜であるため、面倒だと思った。
10月に企画され、11月の学園祭で顔合わせをすることになったが、私は担当する店(1年生は必修のゼミで模擬店をやらねばならない。この時は団子を売っていた)が忙しく、学校内での顔合わせに出なかった(正直面倒だった)。
顔合わせを終えた集団が店にやってきた。一応、残りの1人である私を紹介する為だった。
7(男4女3)対1で来られたのでろくに顔を見ていなかった。ふと目をやるとぺこっと頭を下げた男がいた。私は太陽が眩しいせいもあり、何故か思いっきり睨んだ。そしてそいつだけが、印象に残った。
合コン当日。横浜駅の交番の前で待ち合わせになった。5限後だったのでちょっとぐったり。しかも可愛い格好してこいとは言われたが、まっさらその気がなかったので男の子っぽい格好をして行った。
男4女4(セッティングしたのがその中のカップルであるため、実質3対3)で座ってみた。私ははじっこ(←はじっこ大好き人間)で様子を見ようと思い、1杯目をジンジャーエールで観察した。
私には斜めに座っている男を思い出した。唯一印象に残った、あのぺこっとした奴だった。ちょっとノリの良いそいつを苛めてみようとなったので、飲み放題メニューの片っ端から飲ませてみることにした(本来は危険ですのでおやめ下さい)。案外強いのにはびっくりしたが、完全に酔っ払いになっていた。
何故かコースの最後を巨大パフェで締めくくることになった。元々パフェがあまり好きではない私はようやくトイレに行って帰ってきた。そのときは私の席は座れない状況だったので真反対のこれまたはじっこへ。そこでのんびりのほほんしていると、同じくパフェはもういい、と言った、さっきの斜めに座っていた男が来た。
彼は何度か私に何か聞こうとしたが、その度に私が違う話をふった。その男はちょっと残念そうにしたが、話を合わせてくれた。
帰り、横浜駅に行く道程で彼は何故か私の隣を離れなかった。そして、私が帰る、と言い出すと、さっきの男はちょっと慌てて私に連絡先を聞いて来た。
しかし困った。これは何のカテゴリに入れようか。仕方なく「miki」と新しくカテゴリを作成して唯1人を入れた。
だんだん連絡をしているうちに、気になったことがあったので、メールで聞いてみた。
「そういえばなんであたしにしたの?もっと違う娘だっていたじゃん。」
その返信は私を困らせた。
「簡単に言うと、好きだから。」
え?
そんな馬鹿な。
そんな心の準備はしていなかった。私は初めて「好き」と言われた。それに驚き、動揺した。しかし、嫌いなわけではなかった。
「もうちょっと考える時間を下さい…」
そう送るのが精一杯だった。
しかしメールだけしていても埒が開かない。思い切って会ってみることにした。
1月3日。下北沢に行ったが店は閉まっていた。のんびり2人で歩いていると、どこか安心する自分がいた。
1月23日。この日は彼の二十歳の誕生日だったので一緒に品川で遊んだ。
そして、この日から私達は正式に付き合い始めた。
友達はちょっとびっくりしていた。
「だって、大穴と大穴がくっつくなんて、誰も考えなかったよ」